2012年8月4日土曜日

なでしこジャパン対南アフリカ戦が無気力試合とは全く違う100の理由

今更だが、ニューヨークタイムズ紙がオリンピックバドミントンでの無気力試合と、あろうことか、なでしこジャパン対南アフリカ戦を0−0で引き分けた試合を同列視するがごとく引き合いに出しているという唖然とする情報を目にしたので、ここになでしこジャパンが1位通過するための条件を示しておきたい(必要得点などは微妙に間違っているかもしれないが大筋で如何に過酷な条件であるかを示す)。

おそらくこういった監督の会見を闇雲に(何も追求することなく)引き合いに出すことが、記事にちょっとした色彩をつけるとでも思ったのかもしれない。監督もオリンピックという舞台で余計なことを言ってしまったようだが、裏を返せば勝負として後ろめたいことはないという気持ちの現れとも言えるだろう。

  1. 引き分けは勝ち点1を勝ち取るのであって、負けとは全く異なる。引き分け狙いは正当な勝負であり、事実、世界のサッカー1部リーグにおいて、連続無敗記録とは、常に賞賛されるもの。

  2. 男子サッカーで優勝候補のスペインが無敵艦隊ならぬ無得点艦隊に(そして勝ち点はわずかに1に)終わってしまったことを持ち出すまでもなく、オリンピックというワールドカップに次ぐであろう世界大会で、得点や勝ち点を上げることは、優勝候補ですら約束されてはいないなどというのは、ショービジネスの世界はどうか知らないが、勝負の世界なら常識。

  3. 日本の監督が謝罪したのはあくまでスペクタクルなサッカーより勝ち点を優先したことであり、それが許されないのは、地球上で唯一、バルサだけ。

  4. 試合開始前の段階で、1位スウェーデンと勝ち点差で並び、得失点差では2点はなされていた。この時点でスウェーデンが勝つことを想定すると(スウェーデンが勝つということはさらに得失点差を1点以上広げるので)、少なくとも3点差以上で勝利する必要があった。

  5. スウェーデン対カナダ、日本対南アフリカは、同時開催であり、結果次第で様々な順位変動があり得る状況下だった。なでしこジャパンに関しては"3位以上で予選通過"ということが確定していただけ。

  6. 前半を終えて、スウェーデン対カナダは2−0、日本との得失点差はさらに4点に広がっていた。この時点で(このまま行くと)日本が1位通過するには、5−0以上で大勝する必要があった。

  7. スウェーデン対カナダは、最終的にカナダが追いつき、2−2の引き分けだったため、日本とスウェーデンは勝ち点差で並び、得失点差でスウェーデンが1位になったが、カナダが追いついたことを考えれば、スウェーデンが負ける可能性も十分考えられたわけで、もしあと1点カナダが得点し勝利していれば、日本が1位通過していた。つまり、0−0で終えたからといって、必ずしも2位通過になったわけではない。

  8. 無失点に押さえるというのは、サッカーでは最も重要な要素の1つであり、それを全力で成し得たからこその0−0であり、勝ち点1。無気力で0−0を達成することは不可能で、終了間際に失点し、負けて3位になる可能性も十分あった。万一そうなれば仮に準決勝に勝ち進んでも、優勝候補筆頭、FIFAランク1位のアメリカと当たることになった。

さて、残りの〜100までは、識者の面々にお譲りするとして、少なくともこれだけの理由があれば、いや無くとも、サルでもない限り、バドミントンの無気力試合となでしこジャパンを並べ立てたりはすまい。

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