2012年9月9日日曜日

GPLの矛盾

GNU Operating Systemのページ『GPLv3にアップグレードする理由』の中で、『プログラムの貢献者全員に、将来のGPLバージョンへの更新を決定する代理人を指定させておくことができます。』と述べているが、そうした場合、それはGPLv2と呼べるのだろうか?

例えば私がGPLv2のライセンス表示された部分だけを受け取ったとして、GPLv3には反対だったとしよう。そうすると自分が変更した二次著作物であるプログラムが、知らない間に勝手に自分が反対するGPLv3に書き換えられてしまうことになる。

では、予め、そのような誰々に変更を一任するといった条文を追加したとしよう。そうするとそれに従って、私は将来GPLv3に変更される条件を飲むか否かが問われることになる。そしてGPLv3に反対な私は、それを知っていたら、コードを変更することを放棄しただろう。つまり、GPLv2の精神に反して、GPLv2は制限されるのだ。

結果から見れば、これは明らかにGPLv2に制限を加えることになる。つまり、矛盾するのだ。確かに新しいバージョンは常により優れているという知見に立てば、結果的な問題は起きないと思いたいだろう。しかしそれが正しいなら、常に「GPLv2かそれ以上」とするだけで十分なはずで、わざわざ代理人を指名する必要もなく、従って代理人に万一のことがあった場合の代理人、そしてその代理人...という無限ループに陥ることもない(まあ、これについては万一の場合に合理的な社会的解決法があるのかもしれないが)。

他にもGNUは、Webページの変更を明示的に許諾していない。CC BY-NDでライセンスされている。彼らは、

わたしたちのミッションは、コンピュータ・ソフトウェアを利用、研究、コピー、改変、再配布する自由を維持、保護、促進し、自由ソフトウェアの利用者の権利を擁護することです。』

と言っておきながら、文書やイラストを変える自由については、維持、保護、促進、擁護しないわけだ。私はGNUの精神に適しているのはCC BY-SAだと思うが。この辺の自信の無さがもどかしい。

とにかく、自分は当面、CC BY-SAで行こうと思う。(ビジネス上の制約があるものを除く)


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