2012年6月1日金曜日

ウィルスから見た人間

自分が作ったものが世の中に蔓延すると、ーそしてそれがあらゆる物に付着し、避け難い物であればある程ーそれを避けようとする少女が現れ、「これじゃまるでウィルスだね」と言う。

ウィルス、か。

そこでふと思いついたのが、ウィルスって人をどう思っているのだろうか、ということ。

ウィルスに思考など無いと思うならそれでもいい。そもそも思考なんて、辿って行けば素粒子に行き着くものの間の作用でしかない。 例えウィルスの活動を「人間的」思考と結びつける事が出来なくても、そこに思考はある。

そう定義した上で、ウィルスが人間を始めとする被感染者に危害を加えたとして、ウィルスは何を思うのか。

例えばウィルスが楽しいと思ったとしよう。だとしたらそれは何故だ? 感染することで、ウィルスは何らかの安定状態を得て安堵するのだろうか? あるいは少しばかり大きくなり、得意になるのだろうか? あるいは自分より遥かに物理的に巨大な塊を倒すことに快感を覚えるのだろうか? おそらく最後のは無い。ウィルスにはそれを感じることが出来ない、言い換えれば、その事態を知る事が出来ないだろうからだ。安堵したり得意になったりするのは、自分に直接繋がった部分であるから、それを感じたり知ったりすることは出来るだろう。

そして一向に減らないウィルスの「数」だが、彼らは何処に生息しているのだろうか。そしてその数は人間と比較してどうなのだろう? 無論、重さで比較すれば全人類の合計のほうが重そうではあるが、インフルエンザだけでも色んな種類が毎年季節になると猛威を振るうのだから、相当な数が密やかに、しかし大量に生息しているに違いない。

意外と地球を支配しているのは彼らの方かもしれない。


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