2012年10月13日土曜日

RX8を試乗

関東マツダさんでこちらのRX8に試乗させて頂くことが出来た。外観も内装も素晴らしい車だったが、驚いたのはその走り。なんと、我がプジョー306S16と真っそっくりな車だったのだ!

お店から出る時点からもう運転開始だったのだが、車幅も違うはずなのに、以前代車でお借りしたた306styleよりむしろ、圧倒的に自分の車に近く、殆ど違和感がない。もちろん、事前に伺っていた、油断するとエンストするかも、ということは意識していたのだが、クラッチも軽く(306S16は重い)、非常にスムーズに繋がったし、そこから流れにのるのに踏み込んで加速するわけだが、この加速フィールも306と一緒。306も自分の運転では決して出だしが速くない。そんなところも似ているのだ。この辺もロータリーなので低回転のパワーは最高出力(250ps)からすると少なく感じますよ、というお話の通り。306163psだがレシプロとはいえ高回転型。7000rpmまで全くストレスなく吹け上がり、(乗ってる感覚として) リニアに加速する。ただし、やはりRX8のほうがより高回転で、同じフィーリングでも1000回転ぐらい上を示していたような気がする。タコメータがハンドルに隠れてよく確認できなかった。この辺はハンドルのチルト調整もしくはシートのチルト調整で直せれば良かったのだが、そこまで余裕がなかった。次回機会があれば確認させて頂きたい。

それと試乗終盤になって気づいたのだが、違和感のない要因として、ハンドル径、ペダル位置がほとんど同じに感じること(計ってないので錯覚かもしれない)がある。この辺はヨーロッパ車を研究しているので、その辺の影響があるかも、とのこと。

それにしても、降りてから気づいたのだが(つまりすっかり忘れていた)、タイヤは18インチ(30615インチ)、駆動方式はFRなのだ。だがあまりに違和感がないので、その辺の確認をしようなどと思う余裕もなく、「真っそっくりなクルマだ!」というのが感想となってしまったわけだ。

とはいえ、もちろん些細な違いはある。例えば、

  1. エンジン音が全く違う。ヒューンという感じで余り聞こえてこない。が、店員さんのお話だと、よく形容されるのがジェット機のような音で、慣れてくるとそれなりに心地よく聞こえてくるらしい。音の好みに関しては、慣れもあろうが、感性もあるだろう。自分の場合、一目惚れとまではいかなかったが、決して嫌いな音ではなかった。プジョー306S16の場合、実にストレートな直4DOHCサウンドが、ハードロックな感じで実に好い。特に3750辺りからディストーションがかかってきて、4,5,6千と行く感じ、あの痛快さは体感しないと分からないと思う。
  2. シフトレバーが短く、より手元にあって楽。ただ、運転していて全く違いを感じなかった。ここは306の長いスロトークが大は小を兼ねているのだろう。
  3. エンジンブレーキ どこかで効きが悪いというカキコを目にしたが、ATを乗られたのではないだろうか。6MTの本試乗車は非常に程よく、306と全く同じように効いていた。が、1,2速辺りで、1020kkmぐらいでノロノロ運転をすると、若干効きすぎてというか、これはエンジンブレーキというよりトルクが低回転で少ないための駆動力不足なのか、アクセルオフでの減速度がやや大きめで、滑らかに巡航するのが簡単ではなかった。この辺は自分の運転技術の問題だとして、じゃあ乗りこなせるのか?という、一番のネガ要因となった。
  4. フットブレーキ 正直、これも降りるまでRX8だとは気づかなかった。どこかでカックンだとかいうカキコを目にしたが、事実だとすれば個体差ということになるだろうし、他の理由の可能性もあるだろう。とにかく試乗車のブレーキは306S16と全く同じに感じられた。
  5. 車幅 広いはずだし、ショールームで見たときは随分シートが低くて大丈夫かなあと思ったのだが、走り出すとそんなことはすっかり忘れ、1ミリも気にならなかった。
  6. シート&シートポジション(前後) クッション性は自分のクルマが15万kmもいっているせいもあり、RX8のほうが良かったかもしれないが、運転姿勢を作る上では全く同じ(タコメータが見えないのがネックという以外)。シート下のバーで調節するところまで一緒で、その操作感も一緒。いや本当に自分のクルマで位置を直している感覚そのまま。
  7. ミラー さすがにRX8はドアミラーが電動。だがドアミラー位置調整が電動なのと、ルーム(バック)ミラーが小さいのは一緒。
  8. 変速 運転技術の問題で、スムーズに繋げない場面もあった(かるいシフトショックが起きてしまう)。この辺は306でも初めの頃は経験したことだし、慣れれば問題ないだろう。
  9. クラッチペダル やや軽めでスムーズ。そして上質。306S16はこれと比べると重く、やや渋いところを偶に覗かせる。ストロークの深さは同程度に感じた。昔乗ってた309はかなり短く好みで、306に乗り換えるとき悩んだ部分。なのにクラッチペダルの横に付いていたスプリングを不具合が出るという理由(たまにペダルが戻らなくなる)で外されたときは、さらに倍ぐらい長くなったように感じて、営業さんにかなりブーブー言って、元に戻してほしいと懇願したのだが、サービス工場のほうから、メーカーからは外せと言われているので...の一点張りで、実際強引にスプリングを付けたまま戻らないと困るので泣く泣く同意した。が、今ではすっかり慣れてしまった。306S16では他にもクラッチペダルが固まって動かなくなることが度々あり、保証期間内に何度となく対応してもらったのだが、工場側は再現しないの一点張り。実際固まってる状態でレッカーしたのにだ。本当、新車保証があって良かった。でも面白いのが、保証が切れる直前、保証期間中はクラッチが渋くなるという理由でケーブルを無償交換してくれていたのだが、保証が切れるとそうも出来ないので、出来る限りの対応をしておきますということでいろいろやってくれたらしいのだが、それ以来、幸いな事にクラッチでのトラブルは全く無くなった。その点は非常に感謝している。初めからそうなら言うことはないが、機械である以上、致し方ない部分もあると思う。
  10. 足回り といっても走り屋ではないので、ごく普通に乗ったときの感触の話。306S16に比べると柔らかいというのとは違うのだが、ダイレクト感がやや薄く、クッションというか、ネットが間に入っているかのような感触。ほんの僅か一体感をスポイルする感じがしないでもない。よく言えばその分乗りやすいのだが、個体が中古ということもある程度あるだろうし、タイヤに負う部分もあるだろう。306でもタイヤの影響は絶大だ。今ミシュランを履いているが、ピレリのほうが断然好み。ミシュランは柔らか過ぎる。20kmでは最悪。だが100kmでは最高のグリップ感を与える。まるでタイヤが消しゴムのように削れてるんじゃないかと思わせるようなグリップ感には本当に驚いた(新品時)。雨でもいい感じになる。ピレリ(P7)はノイズがあるものの、がっしりしていて速度に関係なく一体感を保ってくれる。雨も然り。
以上、チャンスがあれば一度は所有してみたいと思わせるクルマだった。今がチャンスなのかどうかは未だ分からないが。と同時に、306S16の素晴らしさも再認識することとなった。もし状態のいい306S16に巡り会う方がいらっしゃったら、間違いなくお薦めだ。まあ乗って頂ければ分かってもらえると思う。


ところで、試乗に至った事の顛末だが、実は今、自分のクルマがピンチだ。名うての修理工場で預かって頂いているのだが、原因特定に時間がかかっている。場所はエンジン周り。詳細は省くが、15万kmをちょうど超えた、'99年式306S16である。


可能な限り乗り続けたい、余裕があればフルレストアしてでも乗り続けたいと常々思っていたのだが、最近短い距離で自転車代わりにチョイ乗りを繰り返してしまった罰だろうか。ついに重傷になってしまった。

こうなっては自業自得。乗る資格なしとばかりに落胆し、距離もいっているので、あまりに大変な手術になるようなら、一旦諦めよう、またそれこそフルレストア出来るような余裕が出来たら改めて中古を探そう、という気になり、とは言え通勤や買い物など、クルマありきの生活をしているので、とりあえずその辺に落ちてるクルマを拾ってこようかということで、格安でまだまだ走りそうな日本車に目を付けていたのだが、何気にマツダ車を見ているとき、RX8が。

もちろん格安なのはオークションに出ているもので、何の保証もない。日本車とはいえ、壊れないわけではないので、状態如何だろうし、そこは賭けになってしまう。それではあまり意味が無い。そこである程度この先の維持費も考慮した上で、ちょっと考え直してみると、販売店によっては1年保証距離無制限というのが結構あり、エアコンも対象になっている。こういうもので車検の長いものであれば、その間乗り切るという考えで予算が立つ。そこでそうした視点で見てみると、RX8は以外と良い選択肢なのではないだろうかと思えてきた。もちろんRX8はおろか、ロータリー車にはかろうじてFCの助手席に乗ったことがある程度で、人の噂から漠然と好いクルマだろうと想像しているにすぎない。だったらまずは試乗させてもらって、その辺をクリアにしたいと思いつつ、探してみる事に。そうしたら運良く今回の試乗車に巡り会ったという次第。車検も長く、1年距離無制限保証、エアコンも保証されるとのこと。これなら問題はないと思う。あとは欲しいと思えるかどうか。




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